ポモドーロソースのレシピ

3年前までまともに包丁を握ったことのなかった自分が日田に移住する直前に習ったポモドーロソース。
そのソースでリヒトの開業時にサポートしてくれたフランスで12年間調理人をしていたシェフに出したところ「このパスタはイケる」と言ってくれたので当時からそれなりだったとは思いますが、今ではさらにに進化してきています。

ベースとなるソフリット(香味野菜)は人参3本、セロリ2本、玉葱2個を微塵切りに。
ただ、相変わらず包丁の扱いは「トントントン」ではなく、「トン、、トン、、トン、、、」なので(汗)
膨大な時間を掛ける訳にも行かず野菜を乱切りして業務用のフードプロセッサーに入れてわずか7、8秒で微塵切りに。
本来は人参は細かくカットし、セロリは大きめの方が食感的にいいのでは?と思うのですがハイパワーのフードプロセッサーなのでその制御はできていません。
エキストラヴァージンオリーブオイルでガーリックを炒めて香り付けをしたところにこの野菜を投入して全体的にキツネ色を超えて茶色の焦げ色になるまでじっくりと1時間。

そこにトマトの乱切りとイタリアのカットトマト缶、トマトペースト(トマトピューレではない)を入れてグツグツと1時間あまり。水気が飛ぶ過程で味がどんどん濃縮されていき、、、、

途中で加える調味料は塩。
隠し味として鴨のコンフィを低温調理した際に出た煮こごり(ゼラチン状)と前日にペーストにして冷凍させておいたマッシュルーム(冷凍から解凍させると旨味が倍増する)、白ワインを入れて、最後にオレガノのパウダーを。
そしてこれもソースに焦げ目がついてキツネ色になるまで。
ここまでやって出来るのは12食分。(1日か2日分)

先日旅をした時にパスタが人気の飲食店の店長さんとお話する機会があり、ソフリットの作り方に興味があって話題にしたら何とソフリット自体をご存知無く、無論作ることもないようで、「パスタのソースを煮込む?」と返されてその後の話題の振り方に戸惑ってしまいましたが、確かに自ら作らなくとも業務用の食材を販売する業者は数多く存在するし、企業が大量生産する食材のクオリティもそれなり、コスト的にも有利なので、自家製にこだわらず少しでもコストの掛からないメニューを提供するのは飲食店としての1つのポリシーなのかも知れません。
ただ、確かな出自の食材で自ら作製して美味しさを追求する飲食店もたまにはあっても良いかと。
詰まるところは客側と店側の価値観によるところだと思います。

ガレットもキッシュも同様に手間暇掛けて手作りしています。
店主としての趣味、こだわりでしかありませんし、女子ウケする可愛らしい盛り付けもしてません。
しかし、それがリヒトのポリシー😉