ボジョレーワイン(フランスワインに関する考察)

2022年3月25日に「ボジョレーを飲み倒す!」というテーマでワイン会を開催しました。

リヒトの街ではワインを嗜む人口は少なく、参加者数は7名と少なかったですが、取り寄せたボジョレーのワインは自信を持ってお勧めできるものでした。
通の方には理解していただけると思いますが、世界で最も厳格なワインの格付け(原産地管理)を行なっているフランスではグラン・クリュ(特上)として特定の生産畑を指定するケース(有名なロマネ・コンティ家の畑など)、その次がプルミエ・クリュなどとして村の名前を冠したケース、その次にブルゴーニュ、ボルドー、ボジョレーなどの生産地区を指定したケース、そしてそれ以外、さらにその下にテーブルワイン、、、と続きます。

今回はボジョレー地区にある10の村のうち5つの村の名前を冠したボジョレーワインを取り寄せました。

・ムーラン・ナヴァン
・シェナ
・モルゴン
・フルーリー
・サン・タムール
この5つです。

フランスのミディアムボディの赤ワインというとピノ・ノワールがあまりにも有名ですが、フルーティでちょっと酸味が尖った感じのピノに比べると、よりふくよかな芳醇さ、まろやかさを感じさせるボジョレーのガメイ種のワインは素晴らしいと以前から思っていました。ただ、通常の酒屋さんではボジョレー・ヴィラージュ(村の名前は付かないがそこそこ良質のガメイ種を使ったボジョレー)ぐらいしか売っていないので入手しにくいこともあって自分でもあまり口にする機会がありません。

今回はテーマをボジョレーに絞ったワイン会ということでちょっと背伸びをして取り寄せました。
参加されたお客様は日頃あまりワインは嗜まない方もおられましたが、皆さんこうしたボジョレーワインの美味しさを堪能されてお帰りになったと確信しています。
5つのボジョレーワインを試飲して、同じガメイを使ったボジョレーでもそれぞれの熟成法の違いでここまで味に差が出るというのも私もお客様も皆が感じたところでした。
個人的にはシェナが一番、モルゴンが2番という推しですが、、、
ルージュの色合いも薄すぎるピノ、濃すぎるカベルネに比べてもガメイのルージュが最も美しいと思います。

参加者の少なかったワイン会でしたが、料理も自家製ドレッシングのサラダに始まり、キッシュ、鶏もも肉のコンフィ、ドイツソーセージの食べ放題にフルーツパウンドケーキのデザートと精一杯提供させて頂き、素晴らしいワインと共に幸せな時を過ごすことができました。

以下はワイン販売の国内随一のエノテカさんのガメイに関するコメントの抜粋を引用しておきますので参考にしてください。

・・・・エノテカさんのコメント

ガメイはブルゴーニュ地方南部のボジョレー地区を原産とする黒ブドウ品種で、正式な名称はガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブラン(=白い果汁の黒いガメイ)と言います。
以前は、ガメイと言えば風味の乏しいワインに色を添加するために栽培されていた果肉の赤いガメイ・タンテュリエ種を指していたことから、それと区別するためにこの名前が付けられました。

ブルゴーニュの都市マコンの南からリヨンの北までの約55kmにわたって続く、ブルゴーニュ地方南端のボジョレー地区で造られる赤ワインのほとんどがガメイです。
マコンのすぐ南から始まるボジョレー地区の北部は、花崗岩を基盤とした丘陵地帯で、ガメイには非常に適したテロワールとなっています。
とりわけ、クリュ・デュ・ボジョレーと総称される、村名を冠する10のA.O.C.では、数年間の熟成も可能な高品質なガメイのワインが造られています。
北から順番に最小の「サン・タムール」、フルボディのワインが生まれる「ジュリエナス」、「シェナス」、花崗岩砂層でマンガンの鉱脈が入り込んだ土壌の「ムーラン・ナ・ヴァン」では骨格のしっかりした複雑なワインが生み出されています。
続いて、砂質の混じる土壌の「フルーリ
ー」、標高の高い「シルーブル」、そして2番目に大きい村の「モルゴン」は「ムーラン・ア・ヴァン」と並んで熟成能力の高いワインが生まれています。今日のガメイ人気は、モルゴンの著名な自然派ワイン生産者が発端とも言われています。
「モルゴン」の西には「レニエ」、南には広大な「ブルイィ」、火山によって生まれた山モン・ブルイィの斜面にある「コート・ド・ブルイィ」と続きます。そして、これら10の村の周りにA.O.C.ボジョレー・ヴィラージュの畑が広がっています。

2000年以降、徐々に広がり始めた自然派ワインの流行で、ガメイの評価が変化してきたことが人気の理由の一つです。近年の世界的なオーガニックブームに伴って広がった自然派ワインは、一般的に有機栽培で育てられたブドウを使用し、補糖など人工的な手段をできるだけ用いずに造られます。以前はフレッシュで早飲みワインを生むブドウというイメージが強かったガメイの評価も次第に上がってきました。また、昨今は健康志向の高まりで、素材の良さを引き出すシンプルな料理が好まれる傾向にあり、そういった料理に合わせるのに、ガメイのワインのような飲み心地に優れたワインが選ばれるようになってきたのです。我々日本人にとってガメイは、ボジョレー・ヌーヴォーの原料ブドウというイメージが定着してしまっていますが、ガメイは今や世界が注目するトレンド品種です。