リヒトのコーヒーミルの奇遇な長い旅

リヒトの店内の棚にフランス製の古いコーヒーミルが展示されています。

先日、店内の様子を動画に撮影してインスタにアップしたところ、リヒトのインスタをフォローしてくれているフランスの女性から「いいね💖!」と共に次のようなメッセージが届きました。

「私のコーヒーミル!!私が絵を描いたものです。それは何と長い旅をしたのでしょう!それに私はそのカフェを知っています。1998年にそこを訪れたことがあります。そう!そこは彼女(リヒトのオーナー)の実家です。」との内容です。

店長の私はこの女性にお会いしたこともなく、その経緯も全く理解できず、ドイツ在住のリヒトのオーナーにこのメッセージについて質問しました。

その人はブリジットさんという元中学校の数学の先生だと。リヒトのオーナーが大学を卒業後1995年にインターンシップとして派遣されたフランスのその学校で大変面倒を見てくれた方とのことでした。

1998年には来日して、リヒトのオーナーの在所であるこの古民家を訪れたと。(当時は青果店を営んでおり、今のカフェの内装とは全く異なりますが)

豆田の嶋屋カフェ、天ヶ瀬の高塚地蔵、別府の砂風呂などを堪能されて行かれたようです。

その後、フランスに就職したオーナーの面倒を見てくれて、私の妻がフランスにいた時もブリジットさんの家に泊めてもらったことがあるそうです。

ブリジットさんとしては、家に泊めたことのある日本人女性の夫が、自分が訪れたことのある古民家を改築してカフェを始める・・・さぞ感慨深いものがあったことと察します。

「リヒトの店内の装飾に使えれば」と牡丹の花の絵を描き込んで長年愛用していたコーヒーミルをドイツ在住のオーナーの元に送ってくれたそうです。

遠くフランスからドイツを経て、極東の日本の豆田に辿り着いたコーヒーミル。

そんな経緯を知らない店長は他の装飾品と共に棚に飾っていたのでした。

ブリジットさんは2019年にオーナーがドイツのご主人と挙げた博多の櫛田神社での結婚式にも来てくれたそうです。(左から二人目がブリジットさん)

たまたま店内の動画に映り込んだことをきっかけにして、眠っていた長い時と様々な想い出が解き放たれたコーヒーミルが今リヒトの店内を見つめています。

このコーヒーミルでコーヒー豆を挽いて、時の流れの染み込んだ味を試してみたくなりました。