調理、飲食、文化・・・

このホームページの「プロフィール」でも書かせて頂いているように、この店を開業するまでは飲食や調理の世界には無縁で単なる客としての経験が長いだけのことでした。

調理も自分のために何か簡単なものや興味を持ったものを作る程度で、とても人様にお出しできるようなものは作った試しがありませんでした。

開業からは日本、フランスでの調理経験豊かなシェフに基本的な事項から教わりながらの店の運営でしたが、そのシェフもいよいよ個人での開業を視野にしてその準備のために2021年末でリヒトを退職されました。
スイーツを継続するためにたまたまご縁があって新進気鋭の若い女性パティシエを採用できたものの、フードメニューはこの店の課題です。

しかし、ふと振り返ってみると今出しているランチメニューのソーセージランチ、4種類のパスタ、キッシュ、パニーニ、リエット、それらに付けるピクルス・・・いつも間にかそれらのソースやら生地やら、味付けといった調理は全て自分でできる段階になっていて、お客様にも美味しいと言って頂けるレベルになっていました。
昨日からメニューに加えたリエットは前日に3時間余りをかけて仕込みました。本日初めて注文を頂き、試作を重ねたはずでも初めてお客様に出すのは緊張するものです。
「物凄く美味しいです!」と言って頂けたことが殊の外嬉しく感じました。

まだまだレパートリーも応用も未熟ですが、少しずつでもベテランの方々の技術などを吸収してメニューの幅を広げていければと思っています。

コロナと共に駆け抜けてきたあっという間の1年半でしたが、いつの間にか多くの変化もあったのだなと感じています。

常々、飲食は教養の一部だと考えています。
世界には和洋中という括りでは足らないほどトルコ、スペイン、メキシコ、インド、タイ・・・様々な料理やお酒があります。
日田にも多くの飲食店がありますが、たまたま日田のお店にはないごく一部のヨーロッパの飲食の文化を提供することができればと考えています。
そのためにはその本物に少しでも近いものをお出しせねばと思うと壁は大きいですが、手の届く範囲で挑戦していきます。

「ああこれは食べたことがある。このお酒の味は味わったことがある」という経験はビジネスの場でも交友の場でもその話題や人柄を広げるのに大きな武器となるはずです。ほんのわずかでもそのお手伝いができれば本望です。

リエットの豚肉の煮込み開始(臭い取りのための脂の吸収)